胎児心臓超音波検査の保険診療認定に関して

Medical Insurance regarding of Fetal Echocardiography

2010年4月に胎児心エコー検査が正式な専門医療行為として厚生労働省に認定され、保険償還されました。この検査は当会の前進である日本胎児心臓病研究会が、設立当初から継続して、内科系学会社会保険連合に申請し続けてきた医療行為です。 2006年に当会の先進医療申請委員である渋谷幹事が中心となり、胎児心エコーは専門的医療行為として先進医療認定されました。そのステップをへて、ついに胎児心エコー検査が「正当な専門医療行為」として認定されました。

胎児心臓病学は世界的にみても、専門的技術を要するだけでなく、胎児期のみならず生後も含めた治療方針や予後を含めた学問です。その中心をなす胎児心エコーは、単なるスクリーニングエコー検査とは異なる専門技術です。  欧米では胎児心臓診断は小児循環器学を専門にトレーニングされた専門科が行う診療行為と認識されており、当会では胎児心エコー検査は「最終診断を目的とした専門医療」として認識しており、スクリーニングによる心臓診断とは一線を画する診療と位置づけています。

当会は15年以上にわたる保険申請の重要な資料と胎児心エコー検査の社会的意義を目的として、2006年9月に「胎児心エコー検査ガイドライン」を作成しました。当会としては専門医療としてのガイドラインにのっとり、胎児心エコー検査が行われるべき診療行為と考えます。そして胎児心エコー検査の全国への普及・整備及び更なる専門性向上をめざして、活動を続けて行きます。

保険収載には施設基準があります。基準・申請書類は「こちら」をご覧ください。

胎児心臓超音波検査に関する日本胎児心臓病学会からの提言

平成22年度4月の保険請求改訂により、「胎児心エコー検査」が保険収載となりました。当学会では長年にわたり厚生労働省に働きかけ、その成果として初めて「胎児」への診断が保険収載に認可されました。この「胎児心エコー検査」が、本来の意義を基に施行され、保険請求されることを希望し、以下の提言を致します。

胎児心エコー検査の意義

本学会は、心臓病を持つ胎児およびその家族の幸せを目的として設立されたものです。単に胎児の心疾患を診断するのみでは却ってご両親の不安を増幅することにつながることもあります。重篤な心疾患を胎児に発見したときには、十分な時間をかけて、その疾患の患者さんの一生のことについて、包括的に説明し、ご両親に『疾患は見つかったけれど、出生前に見つかってよかった、前向きに考えることが出来てよかった。』といってもらえるような説明とその子を含めた家族のあり方について考える時間を持ってもらうことが重要です。

そのためには、生後すぐに処置が必要な疾患では、生まれた後の患者さんの受ける医療の内容についての専門的な知識をもって充分に説明しなければなりません。心疾患の形態、循環動態の説明のみならず、生後に予想される血行動態の変化、どの次期にどのような治療を行うのが最もよいのか、手術を行うとした場合には、どの施設で行えばどの程度の成功率なのか、手術を受けた後の予想される生活の程度など具体的な事例を挙げて説明することが必要です。

このように胎児診断に基づく医療とは、ただ単に胎児期に診断をくだすことではなくて、多くの経験と知識をもとに、循環動態の悪化を予防しながら、現時点における最良の医療を受けていただくことを提案する医療そのもののことです。胎児診断がされていない場合には生まれるまで疾患に気づかれず、生後に心疾患の症状が出てから、場合によってはショック状態で瀕死の状態になって始めて心疾患があることが分かり、それから専門的な医療が開始されることになりますが、その場合の予想される臨床経過と比較すれば、全身状態がよいまま、手術を受けることが出来るので、手術成績もよくなります。また術後の集中治療を要する期間も短くて済み、医療費全体もこれまでの医療よりも少なくてすむことが分かっています。

我々こどもの心臓病の診療を専門とする医師は、このように医学の進むべき方向性に沿った、胎児心エコー検査を健康保険医療として認めるように厚生労働省に働きかけてきました。その成果が今回の胎児心エコー検査の保険収載です。

胎児心エコー検査と保険点数の請求

日本胎児心臓病学会では、「胎児心エコー検査」をスクリーニング検査であるレベルI と確定診断を目的とした専門家によるレベル II とに分けています。そして、今回の保険改訂にあたっては、レベルII胎児心エコー検査について先進医療制度から優先的に保険収載が適当と厚生労働省に認められ、保険収載となりました。

毎年出生する約 100 万人の赤ちゃんの全てについて高度に専門的な医師が、胎児診断に関わることは不可能です。そこで、妊婦健診の際に全ての胎児が心臓のチェックを受ける1次スクリーニング(レベルI)を実施します。このレベルI検査に付いては、本学会も積極的に啓蒙活動を進めています。そして、この1次スクリーニング(レベルI)で疑わしいと診断された赤ちゃんについて、胎児や小児の心臓病について専門技術と知識を持つ医師が レベルIIの「胎児心エコー検査」を行い、専門的な診断すればよいようなシステムを作りました。このレベルIIで確定診断された胎児診断例については、本学会で全国的な登録制度を実施して、毎年集計して報告しています。

したがって、本学会では、今回の胎児心エコー検査の保険収載については、厚生労働省に申請、認可に至ったこのレベルIIの「胎児心エコー検査」に限って保険点数の請求を行えるものと理解しています。そのためには、ただ診断することが重要ではなくて、診断した内容を十分に分かりやすく説明すること、出生後の医療につなげることができること、を条件に考えています。

レベルIの1次スクリーニングを受け持っていただく全国の多くの施設におかれましては、今回の胎児の心臓に特化した胎児心エコー検査ではなく、妊婦健診の一部のなかに胎児心疾患の1次スクリーニングを加えて実施していただきたいと思います。

1次スクリーニング(レベルI)検査の方法、レベルIIに送るべき基準などについては、これまでに引き続き今後も本学会が普及に努めてまいります。また、1次スクリーニング(レベルI)で胎児心疾患が疑われた場合の紹介先、紹介方法などにつきましても本学会が微力ながら出来る範囲で協力させていただきたいと考えています。

胎児心エコー検査保険収載についての、みなさまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

2013年5月
日本胎児心臓病学会 幹事一同
理事長 安河内 聰

事務局

〒390-8288
長野県安曇野市豊科3100
長野県立こども病院循環器小児科

TEL:0263-73-6700
FAX:0263-73-5550

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